2021年2月17日

スピーカーケーブルの交換実験

細いか太いか

1. VCT 3.5sqから1.25sqへ替えてみる


私はD-70(長岡鉄男設計)。アンプはフルデジタルのPMA-60(光ケーブル接続)。スピーカーケーブルはVCT3.5sq 2芯 0.32mm×45本(イメージはオヤイデ電気

(長岡氏使用5.5sq70芯線ですがこれは3.5sq45芯線)。電気の専門家らしき人は、「ケーブルそのものに音色は無い」はずで、材質でも大差ないという。ならば太さ(断面積)を試してみたくなる。

Amazonベーシック スピーカーケーブル 16Awg(1.25sq)



エンクロージャ内の配線から。フルレンジ2発、ホーンツイータ、コンデンサ、全て直で撚り合わせて接続。接点・ハンダは数が少ないほど抵抗が少ないと思っていたのです。ターミナル端子もなしでケーブルを直出しで隙間はエポキシ充填で固定。全てAmazon16Awgケーブルに変えます。
  • 平型端子・ギボシ・ハンダ使いまくりターミナル端子も増設。

変化は少ない筈だから接点もハンダも増やし、ターミナル端子も増設。

左スピーカーが終わったところで片チャンネル音出し

  • 交換した明らかにおとなしい。音量が少ない感じ。低音が弱く高音が細く頼りない。明らかな情報不足な音。
ケーブルのせいで無いなら内部配線の接点抵抗が増えたからかも知れない。おとなしいのでボリュームを上げてみると、今度は煩くなった。上げるほどに煩くなる。歪でしょうか。それにしても低音が少なすぎる。全体に瘠せて弱々しい。

右スピーカーも完了し両チャンネルで音出し。

やはり物足りないので、つい音量を上げる。上げるほどに煩くなる。バイオリンはキーキー、弦バスは小ぶりで輪郭もない、バスドラムやグランカッサも違いがでない。ピアノはハンマーの音が消え、パイプオルガンの最低音がでない。ボーカルはみな中高生に若返ってしまった。明らかにマイナス変化だ。

長さと太さの関係

直流抵抗だけに着目するなら断面積の大きいケーブルがよいことになるが、そうは行かないようです。スピーカーケーブルは抵抗に注目すればよいとか。DFを20以上を維持すればよいと。アンプとケーブルでのダンピングファクターでそうなるらしい。専門家らしき人のサイトでは
  • 目安は「1sq/1mで十分」らしい。
2mなら2sq、3mなら3sq。私のキャプタイヤケーブルは2.5mで3.5sqなのでちょっとオーバー。そこで今回のAmazon 16Awgをsqに換算すると1.25sqなのです。これでは半分しかないわけです。納得の行くところです。

2.ならば Amazon 16Awg1.25sqの2本使い



長さは2mで断面積2.5sqになる。これで周波数バランスはかなり良くなったが、3.5sqに比べるとまだ高音域が歪んで聞こえる…。(写真には電源プラグついてますが差し替えが簡単なのでスピーカーセレクターにテーブルタップを使っています。)

3.更にAmazon 16Awg1.25sqの4本

手持ちの電源コードを2本加えて4本で実験。計算上は3.5sq以上のはずだが合計4線を撚ってノギスで測ってみるとギリで3sq程度。低音の量感はかなり増え、総断面積がものをいうのは間違いないようです。実用に近づくも、好みとしてはまだまだ全体に細い。

その他の要素

撚り線・単線・2芯ツイスト・4芯スタガート…。直流抵抗・静電容量・インダクタンス・表皮効果・誘電体損失・機械振動・ダイオード効果…。などなど物理は全く分かりませんが、視聴結果は火を見るより明らか。
「線材は大差ない」ようですが、価格は桁違いに大差あるのが面白いですね〜。

4.堪らず VCT 3.5sq 2芯に戻す。

聞くに耐えないのでスピーカーケーブルを元のキャブタイヤケーブルに戻します。エンクロージャー内の配線はAmazonのままでも、楽器の音や暗騒音オケの弦の松脂でこすれる感じ、バスドラムの空気押し出し感、ベースの唸り・・・。倍音がたっぷりのってる感じ。リッチで気分もノリノリ。ブラインドテストをするまでも無く明らかな違いです。

VCTの仕様(オヤイデ電気より)

構造

丸型キャプタイヤ

導体構成

3.5sq (45 / 0.32mm) ×2

線材

タフピッチ銅

絶縁体(内部)

PVC

絶縁体(外部)

PVC

絶縁体標準厚

0.8mm

シース厚

1.8mm

仕上がり外径

12mm

許容電流

32A

耐電圧

600V(AC), 750V(DC)

連続導体許容温度

60℃


物理的には何がいいのか分かりませんが3.5sqはかなり太いほうだと思います。私のオーディオ再生で目指すところは「ダイナミックで情報量豊富な再生」です。好みがあるとすれば生の楽器やオーケストラにふれる機会に恵まれたのでその影響を受けていると思います。オーディオに色付けは好まず、ソースに忠実な再生を目指しています。
  • 音の立ち上がり立ち下がり
  • ワイドな周波数特性
  • ダイナミックレンジ
私はフロア型スピーカーで容積約250リットル。これで生に近い音量・生楽器に近い音色・音場・スケールを体感したいのです。硬いものは硬く柔らかいものは柔らかく。それには細い線では無理のような気がします。

アンプPMA-60 ・スピーカーD-70・ケーブル長2.5mという環境下では

  • 2〜3mの短線では合計断面積が物を言う。最低3sq以上は必要
  • 2〜3mの短線ではその他の要素で大きな変化はない
 今がそれなりに良い音でなってるのなら面倒なことは避けて、良い音楽を沢山を聞いたほうが時間を有効に使えそうです。完璧を求めては切りがないですから。
 大きな変化を感じないなら変える必要はないと思います。小さな変化にお金をかけるといつの間にか大金を注ぎ込むことになります。大きな変化を求めるならスピーカを変えるか、スピーカーのセッティングを変えることです。

参考にさせて頂いたサイト

 
※ アンプとスピーカーの関係か「長岡鉄男氏使用のの5.5sqキャブタイヤケーブルでは駄目だったという人が、実際長岡氏宅のシステムで聞くと素晴らしい音だった」という話、ネットで見かけます。
  • 好みの問題か耳の問題
  • システムを含む環境の違いか
だと思います。私は3.5sqですが長岡氏と同じスピーカーなので重くて硬すぎて扱い難いという5.5sqを試したくなり、早速オーダーしたところです。結果はここに書くつもりです。

追記 2021年2月21日

早速5.5sqを購入しました。値段はメーカーと店によってかなり違うようです。富士電線工業10m 送料込みで4059円でした。

VCTの仕様(オヤイデ電気より)

構造

丸型キャプタイヤ

導体構成

5.5sq (70 / 0.32mm) ×2

線材

タフピッチ銅

絶縁体(内部)

PVC

絶縁体(外部)

PVC

絶縁体標準厚

0.8mm

シース厚

1.8mm

仕上がり外径

12mm

許容電流

32A

耐電圧

600V(AC), 750V(DC)

連続導体許容温度

60℃


5.3.5sqから5.5sqへ交換

長さは同じく2.5mです。16Awg←→3.5sqほどの大きな変化はありませんが明らかに情報量は増えているようです。低音が軽やかに且つよく伸び、高音も同様に伸びている。全体に品よく情報量が更に増え、音場も広く、動きも素早い。位相の乱れもなくなったようです。念の為ピンクノイズをスペアナでとってみる。凹凸が減りよりフラットでワイドになっています。
「太いケーブルでは低音は増えるが高音が減る」
という定説は全く当てはまりません。ワイドでフラットになっただけではなく、分解能力もあがり、トリオジャズから大編成のオーケストラまで、より繊細に、より力強くなりました。
こちらが3.5sq
こちらが5.5sq
作業は被覆を剥くのも銅線の先を揃えるのもなかなかの力仕事になります。それこそ軟弱な端子には入らないし、ケーブル自体の重さで壊れる可能性もありそうです。
上の薄いグレーの方が5.5sq。黒っぽいグレーがが3.5sq。5スケはずしりと重いです。手持ちの電工ペンチは出番なしで、全てカッターで処理しました。
 これ以上太いケーブルがあるかも知れませんが、これだけ情報量があれば十分でしょう。

※ 実験としては Amazon16Awg を1mで実験してみたいのです。長さを半分以下にすれば行けるかも知れません。しかし私の部屋では短すぎて掃除・ラックの移動ができず不便過ぎます。
ケーブルの長さと太さ以外に被覆の太さ硬さの違いも影響があるのか試してみたい気がします