周波数特性が歪む原因
機器変更が音質改善にならないのは
- オーディオ再生の理想は録音情報の完全再現性です。録音機器の周波数特性を完全再現するには、同じ周波数特性を持ったスピーカーが必要です。
- 故障していないCDやアンプに問題はありません。
- 最も影響があるのは、リスニングルームです。部屋の反射とスピーカーから出た音が混ざると周波数特性は変わってしまいます。拡散するか吸音するしか方法がありません。
オーディオ再生に重要なのは、「周波数特性がフラットである」こと。その周波数特性は部屋の反射で変わってしまいます。スピーカーの置き方で部屋の反射の影響をいかに最小に抑えるかにかかっています。お店で試聴して気に入ったスピーカーを家に持ち込むと全く違う音になります。それは当然とも言えます。環境が違うのですから、何を買ってもその部屋の音になります。
直接音と反射音
- スピーカーから耳に直接届く直接音
- スピーカーから周りのものに当たってから届くのが反射音
- 反射音と直接音の時間差がなく同時に耳に届くと、音が歪み、不快感を覚えます。
反射音が遅れて耳に届けば余韻や広がりに聞こえて快感に変わります。
スピーカー
スピーカーのタイプによって違いはあります。私は長岡鉄男氏設計「D-70バックロードホーン」です。
- 20cmフルレンジ「フォステクスFE206Σ(18Ω)」並列
- ホーンツイーター「YAMAHA JA-0506Ⅱ」
- 高さ 1017mm 幅 492mm 奥行き 562mm 重量 54kg
因みにアンプは
- FX-AUDIO- D802J++ 光接続フルデジタル
- ソースは主に昭和のCDとYoutube
とスピーカー以外にはお金はかけません。
D-70は豪快さと繊細さを兼ね備えたCPの高い設計です。
部屋は長方形
1戸建ての平屋で、外壁はモルタル。和風建築です。
- 幅 3m60cm
- 長さ 6m30cm
- リスニングポジションはスピーカーから2m30cm
6畳と8畳の壁を取り払った14畳のリビングです。床は安価なフローリング・壁は石膏ボードと安価な仕様です。吸音材といえば大きめのソファが二つ。
反射音とスピーカーの位置
- 左右の間隔 スピーカー左右のツイーターの間隔は223cm。フルレンジ2発横並びなのでこのくらい間隔を開けないと中央で音がだぶり、解像度が下がります。
- 後ろの間隔 後ろの壁からスピーカー前面までは90cm 。背面と壁の距離は27cm。これ以下だと低音の解像度がぼやけます。3cm単位の移動で低音の量・締まり・弾力がかなり変わります。低音の質感に重要な100Hzあたりにディップが出ないような距離を見つけます。距離と周波数の関係で、ピークとディップを繰り返すので、壁から離すほど量感が減るとは限りません。
- 内振り スピーカーの間隔が広めで、中央がぼやける場合、内振りの角度で調整します。また対抗面の壁との平行反射を軽減するためにほんの少しでも内側に向けたほうがいいと思います。
- 上振りで床の反射を軽減 スピーカー前面下側に2cmの角材を入れてスピーカーを少し上向きにしています。小さいスペーサーでは前面に隙間ができると底面への回り込みが増えるので長いものを使って前面を塞ぐようにしています。床からのホーン開口への戻り反射を減らして、160Hz付近の土管臭い響きを減らしています。ウーファーユニットが低い位置に付いてるスピーカーでは台の上に乗せて床から離して反射を減らします。これも上下の平行面反射を軽減します。
- リスニングポイント 基本は正三角形。スピーカーの中心からスピーカー同士の距離と同じ距離をとります。リスナーとスピーカーの距離が離れるほど解像度が落ちます。私のリスニングポイントは白いソファの右寄りになります。ここが正三角形の頂点になります。20cm下がるだけでかなり音質が落ちます。
- 吸音材 スピーカー周りに空間が取れない場合は吸音する方法もあります。音量や反射による潤いは減る傾向になります。必要悪ですね。
リビングオーディオは生活の一部
ごちゃごちゃのリビングですがそれが生き方の正解だと思っています。人間性を表示するのが部屋です。オーディオも人間性の一部です。楽しく生きるための要素の一つがオーディオです。音はスケール大きく且つ透明感もあり、どこで聞いてもそれなりに楽しめるセッティングです。食事のBGM、ジャズクラブ、コンサートホール、映画館のように、生活のイメージ作りに一役かっています。
お金をかけるなら大型スピーカー
高能率・大口径スピーカーは優秀です。オーディオ機器交換で音の変化が期待できるのはスピーカーです。特にスピーカーの大きさです。スピーカーユニットの大きさとスケール感は比例します。低音用スピーカーユニットの口径が10cmと30cmでは再生できる低音に限界があります。いわゆる名機と言われる、JBLやタンノイ・アルテックのユニットは15インチ(38cm)です。大きいだけではなく、磁気回路も強力です。デメリットは価格。車や家に近い価格です。数十万〜数百万円。私は価格で諦めざるを得ませんでした。予算がないので長岡鉄男氏の自作スピーカーを選択しました。学生さんや若者の救世主です。それでもいいものを求めると1台7万円、ペアで14万円。
高価でも小口径スピーカーの限界
素晴らしいデザインの小型高級スピーカー。気分はリッチになれますが、小口径ユニットには再生限界があります。見た目ほどの音質は期待できません。
では既製品で、しかも安くても音の良さそうなスピーカーを選ぶ方法があります。スピーカーの仕様をチェックします。主なポイントは三つ。
- 周波数特性が広い 人間の耳は20Hz〜20kHzまで聞こえます。これをどの程度カバーできるかが重要です。
- 出力音圧レベルが高い 90dB以上を狙います。信号に対する反応速度・繊細さに関わってきます。(私のスピーカーは102dBです!)
- 指向性が柔軟 視聴角度によって周波数特性が変わらないのが優秀です。
この三つの数値がどの程度かで価格との折り合いをつけます。仕様を公開していないものは信用できません。要注意です。
私のD-70は出力音圧レベルが長岡鉄男氏の実測で106dBとしています。これが決定要素になりました。周波数特性もバックロードホーンの効果で30Hzまで伸びています。指向性はセッティングで何とか。
Youtubeなら空気録音
YouTubeなどでいい音で鳴っているスピーカー。ほとんどが近接録音や正面録音が多いです。あるいは壁からかなり離れたスピーカー位置。反射の影響を受けない録音方法を考えているはずです。マイクが画面に映っていて録音方法がわかるのが良心的です。録音方法と映像が必ずしも同じとも限らないので要注意。
- 空気録音でマイクの位置や部屋の様子が確認できる動画
部屋の様子やスピーカーのセッティング、録音方法が確認できるものはスピーカーの音質チェックの参考になります。更に周波数特性など測定データも公開しているなら大いに参考になります。

