オーディオは部屋の反射との戦いです。

 スピーカーのセッティングだけで音がよくなります。

物理的に科学的に根拠が無いことや、やってもやらなくても大差ない些細な音の変化に一喜一憂しているのが「オーディオマニア」という方々。いつの間にか自分だけが経験豊か、確かで繊細な耳を持っていると思い込んでしまう。残念ながら根拠薄弱なので行き詰ってしまう。すると機器の買い替えに走り、オーディオメーカーの餌食となってしまう。私もその部類に片足突っ込んでいましたが、何とか食いとどまることができました。今となってはほとんど生き残っていないようですが。
 音が良くならないのは一にも二にもスピーカーのセッティングを考え直した方がよっぽどの近道です。




スピーカー

長岡鉄男氏設計「D-70バックロードホーン」です。使用ユニットは 

  • 20cmフルレンジ「フォステクスFE206Σ(18Ω)」並列 
  •  ホーンツイーター「YAMAHA JA-0506Ⅱ」
ユニットもエンクロージャーもオリジナル設計のままです。  40年ほど前に制作しましたが全く衰えていません。

部屋

  • 幅 3m60cm
  • 長さ 6m30cm

  • リスニングポジション スピーカーから2m30cm

セッティング

  • 左右の間隔 左右のツイーターの間隔は223cm。フルレンジ2発横並びなのでこのくらい間隔を開けないと中央で音がだぶり解像度が下がります。
  • 後ろの間隔 後ろの壁から前面までは90cm 。これ以下だと低音の解像度がぼやけます。3cmで低音の量がかなり変わります。 
  • 内振り スピーカーの右角を4.5cm後に下げて内向きに。フルレンジ2発横並びなので正面向きでは指向性が下がるので輪郭と透明感を出すには内振りが必要です。
  • 上向き 前面下側に2cmの角材を入れてスピーカーを少し上向きにしています。床からのホーン開口への戻り反射を減らして、土管臭い響きを減らしています。
  • スペーサー セッティングや移動のために底面に2cm角のフェルトを四隅に貼り付けています。音に影響はありません。
内部の吸音材一切なし。ホーンの開口部に吸音材を敷かない方が歯切れが良く活発なサウンドが楽しめます。右のスピーカーの前にはソファがありますが、聴感上に問題は出ていません。


生活感出まくりのごちゃごちゃリビングですが、音はスケール大きく且つ透明感もあり、どこで聞いてもそれなりに楽しめるセッティングです。ジャズ・ロック・フルオーケストラ、なんでもござれでご機嫌です。(メインスピーカーの後、奥隅にぶっとい柱のように見えるのは長岡鉄男氏設計 DRW-MKⅡ。30Hz以下の超低域補強用のスーパーウーファーです。滅多に使いませんが。)

余談

オーディオシステムの中で最も音の変化が期待できるのはスピーカーです。特にスピーカーの大きさです。スピーカーユニットの大きさとスケール感は比例します。低音用スピーカーユニットの口径が10cmと30cmでは再生できる低音に限界があります。いわゆる名機と言われる、JBLやタンノイ・アルテックのユニットは15インチ(38cm)です。大きいだけではなく、磁気回路も強力です。これら名機には欠点もあります。車や家に近い価格です。数百万円。私は価格で諦めざるを得ませんでした。予算がないので長岡鉄男氏の自作スピーカーを選択しました。学生さんや若者の救世主です。それでもいいものを求めると1台7万円、ペアで14万円。

その自作も今となってはユニットが手に入りません。長岡氏が亡くなり、メーカーがユニットを生産中止に…。

では既製品で、しかも安くても音の良さそうなスピーカーを選ぶにはスピーカーの仕様をチェックします。主に三つあります。
  1. 周波数特性 人間の耳は20Hz〜20kHzまで聞こえます。これをどの程度カバーできるかが重要です。
  2. 出力音圧レベル 90dB以上を狙います。信号に対する反応速度・繊細さに関わってきます。
  3. 指向性 視聴角度によって周波数特性の変化が少ないほど優秀です。
この三つの数値がどの程度かで価格との折り合いをつけます。
私のD-70は出力音圧レベルが長岡鉄男氏の実測で106dBとしています。これが決定要素になりました。周波数特性もバックロードホーンの効果で30Hzまで伸びています。指向性はセッティングで何とか。

スピーカーのセッティングは部屋との戦いです。

 周波数特性が同じで歪みもなければ同じ音で再生できます。現実的に全く同じ周波数特性のスピーカーがあったとしても部屋の反射の影響で特性が変わります。お店で試聴して気に入ったスピーカーを家に持ち込むと全く違う音になるのが普通です。いわゆる数百万円の名機を買っても、全く違う音になるのが通常です。何を買ってもそうなります。

 そんなばかな話?、なんです。

スピーカーの上下左右の反射の影響で周波数特性はかなり変わります。定在波や歪みの原因になります。特に周りに物がたくさんあり、壁が近い場合は顕著です。部屋が狭いと大型スピーカーは無理です。スピーカー本体が体積を占め、さらに周囲に30cm〜60cmの間隔が必要。そしてスピーカーとリスナーとの距離も必要です。近すぎると各ユニットの音をバラバラに聞くことになります。スピーカーの周りには空間が必要です。
 高額な大型スピーカーを購入しても性能とは程遠い音で聴いている人は沢山いると思います。こんなはずじゃなかった。騙されたのか?。むしろ今時のイヤホンの方がいい音でなってくれます。

YouTubeなどでいい音で鳴っているスピーカー。ほとんどが近接録音や正面録音が多いです。反射の影響を受けない録音方法を考えているはずです。マイクが画面に映っていて録音方法がわかるのが条件です。録音方法と映像が必ずしも同じとも限りませんが、お人柄次第でしょうか。

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